このブログを検索

2011年9月12日月曜日

イスラム女性たちが先生を大いにからかう

昼のクラスに参加していたとき、クラスメイトの大半がイスラム系女性だったことがある。

ある日、レッスンに変化をつけようと外部講師を呼んでの授業があった。その日は20人くらいの生徒のうち、8割近くがイスラム系。エジプト、モロッコ、トルコ、イラク、イラン、アフガニスタン、スーダンあたりだったかなー。

授業は防火キャンペーンについてで、NGOの職員が講師になってスライドでプレゼンテーションをしてくれた。はじめは「ふーん」ってな具合で、皆 神妙に おとなしく聞いていた。ところがプレゼンが終わって、先生が「みなさーん、火事はどんなときに起こりますか?」とかなんとか質問しながら、スライドを再びめくっていたときである。誰かが「火事を起こす悪い子供は、いつも、イスラム系!」とポツリとこぼした。

先生とNGOの講師は敏感に反応して、固まっている。
「そんなことないわよ。たまたま偶然、イスラム系の子供が悪戯しているスライドだっただけ」と言いながら、慌てて別のスライドをめくっていくんだけど、本当におっしゃるとおり「火遊びしている子」「火のそばでおもちゃを広げてグチャグチャにしている子」「お片づけしない子」悪い見本は全部、イスラム系移民と思われる子供のサンプルばかりで、身に着けている服なんかもどことなく貧相なんだな、これが。一方で、よい子の見本は、すべて白人だし、大きな庭つきの家を背景にしたリッチなイメージの写真。

「ほんとうだ。言えてる。よく見てるなー」と私も大いにうなづく。

先生とNGOの講師はもう焦りまくり。
イスラム女性たちは、アラビア語でお互いに言葉をかわしながら、先生たちの慌てぶりを見てクスクス笑っている。肝っ玉母ちゃんみたいな女性がいて、先生が 何かいい訳するたび、突っ込む、突っ込む。別の女性からも野次がとぶ。皮肉はこめているけど完全にオチャラカシの冗談。なのに、若い先生、経験不足か真っ向から受けてしまってお気の毒。最後はクラス一同大爆笑だったんだけど、先生と講師はとうとう最後まで笑うことなく顔がひきつっていた。

移民問題で、こうした些細なことがジョークにならなくなってきている社会だからね。


関連記事

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

►をクリック、投稿が一覧表示されます